下書き うつ病・勉強会#39 進化心理学的に見た摂食障害

下書き うつ病・勉強会#39 進化心理学的に見た摂食障害

摂食障害は神経性無食欲症Anorexia nervosa・ANと、神経性大食症Bulimia nervosa・BNに大別される。両者の間を揺れ動く人もいる。いずれの治療も難しく、定型的で成功しそうなガイドラインはまだ提案されていない。

一つの考え方としては、摂食障害というカテゴリーを分解して、摂食障害は前景に現れている症状に過ぎない、背景にそれぞれの人に固有の病理がある、たとえば背景に躁うつ病があり、統合失調症、強迫性障害、パーソナリティ障害がありという具合に考え、背景病理を治療すればよいとする。しかしそのようにしたところで結局は治療はうまくいかないことが多く、ドイツ精神医学も精神分析も、現代生物学的アメリカ精神医学も無力感にさいなまれている。

神経性無食欲症について特徴を挙げると次のようになる。
先進国に多い(これは先進国で摂食障害という概念が普及しているからかもしれない。診断する医師が多いからかもしれない。発達途上地域では地方特有の習俗として解釈されているのかもしれない。食料が容易に手に入るのは先進国である)。
10代半ばから20代前半くらいにピークがある。女性が約95%で圧倒的に多い。(男性の例も確かにある。小学生の男子で、ご飯ですよという海苔の佃煮しか食べられないというケースがあった。難治であった。しかしほぼ全部が女性である。トランスジェンダーにおける発生頻度などのデータは見たことがない。)
1960年代以降患者数は増大している。(これも医療知識の普及、食料が容易に手に入る、マスコミ、ネット環境などが理由かもしれない)
重症の場合は死亡することがある。長期にわたる過度なダイエットを実行し、体重減少は生命の危機にも及ぶことがある。(内科病棟で人工栄養をしたりする。心理療法だけでは済まない。)
本人はやせすぎであることを否認する。
正常な身体イメージを持てない。
その中にあって、過活動である。
これらの病像を統一的に説明する理論なりモデルがない。そんな中で進化心理学的な説明(ほぼ空想に近い)がいくつかあるので、すがるような気持ちで、検討する。

進化心理学についての総説的入門書 うつ病、不安性障害、恐怖症、PTSDなどについて説明がある。

1.Stevens, A., Price, J., 2000. Evolutionary Psychiatry: a new beginning.2nd ed. Routledge London.
2.Cartwright, J.H.,2001. Evolutionary explanations of human behaviour. Psycology Press.[ジョン・H・カートライト 鈴木光太郎・河野和明訳 進化心理学入門新曜社 2005]
3.Bruna, M., 2008. Textbook of Evolutionary Psychiatry:The Origins of Psychopathology. Oxford University Press. USA.

進化心理学において特に重視されるのが,人類の歴史のうちのおよそ200万年前から4万年前の間(つまり人類が現代の人類へと進化した期間)の環境であり,これを進化的適応環境(enviromental of our evolutionary adaptation:EEA)と呼ぶ。EEAにおいてヒトの生存と繁殖の確率を高めるように,行動と心理が進化したと考えられている(Cartwright,2001)。ところが、現代に至り、環境は大きく変化した。進化的適応環境EEAにおいては有用な適応行動であったものが、現代では様々な不都合を引き起こしていると考える。ゲノム・ラグ仮説、または楽園解放仮説と呼ばれる(なんだか文系的な発想ですねえ)。その不都合の一つが精神障害である。

以下、論文に即し引用しつつ説明する。

4.Wasser, S.K., Isenberg, D.Y.,1986. Reproductive failure among women: pathology or adaptation? Journal of
psychosomatic obstetrics and gynaecology, 5, 153-175.

gynecologyではなくてgynaecologyとするのがイギリス保守なんだろうが、この論文は産婦人科の心身医学雑誌に掲載されたもの。生殖抑制説だから産科でいいわけだ。

ここで言われているのは、reproductive suppression hypothesis 生殖抑制説。広く哺乳動物に見られる現象として報告された。1986年だからもう古典的だ。

妊娠継続や生まれた子供の生存が危ういような劣悪な環境においては、もっと出産に有利な環境が整うまで生殖を遅らせた方が女性にとってより適応的であるから、生殖を抑制するのが合理的である。

劣悪な環境下に置かれると食料がないので、体脂肪が減少し、それによる排卵と月経の停止が起こり、生殖は抑制される。結果的には劣悪環境下での妊娠出産が回避される。

現代の思春期の少女にみられる体重コントロールへの欲望は、この太古の女性で進化した適応的な生殖抑制の現れだという。たしかに劣悪な環境で出産してもうまくいかないだろう。努力が無駄になる。

ここからが面白い。ANを発症すると、体脂肪の減少により月経は停止しする。やせた身体は男性を引きつけない。患者自身の性欲も消失する。結果的に少女は現代社会において高い価値を置かれている学業面の成功とキャリアを手に入れやすくなる。少女がANから回復したときには、彼女はより高い生殖価値を持つ男性を得るのによいポジションにいることになる。現代社会においては成熟を遅らせ、その間に自らの社会的魅力を高めた方が結果的により良い配偶者を得ることができるとする考えである。

一見こじつけのように思われる。しかしこれが古典だから紹介することにした。やせる、無月経、性欲なし、性的魅力なしという、不利な条件に思われるものが、学業や社会的階級上昇には有利に働き、結果として、10年後くらいに、能力の高い男性と結婚する可能性が高くなるというのだ。1980年ころには摂食障害は能力の高い女性の病気だったのかもしれない。だからこのような話が出来上がったのかもしれない。しかし現在は学業においても、社会的階級においても、特に優れているわけではない女性が摂食障害になっている。10年たてば治っていて、円満な家庭生活を送れるという前提らしいが、10年たっても20年たっても苦しんでいる人も少なくない。

5.Voland, E., Voland, R., 1989. Evolutionary Biology and Psychiatry: The Case of Anorexia Nervosa. Ethology
and Sociobiology,10,223―240.

この中では二つの説が紹介されている。

kin selection theory 血縁選択説。
自分の生殖を抑制し、家族の世話をすることによって近親者の遺伝子複製を助け、間接的に自らの遺伝子を残すことができる。これは利他的遺伝子説そのままですね。

parental manipulation 親による操作説。
ANとなることで娘は家族外の関係を持たず、自らは生殖せず親を助けることとなり、結果として親の(進化論的)適応度が上がる。AN患者でしばしばみられる親の期待への過剰適応傾向や、親からの分離が治療を進展させるケースの存在、治療中断の原因は親にあることが多いとする報告などが傍証としてあげられている。この説では、ANの進化論的な利得は親にあり、患者本人にはない。利他的遺伝子説の一種と言えるだろう。

6.Abed, R.T., 1998. The sexual competition hypothesis for eating disorders. British j of medical psychology.71,525―547.

sexual competition hypothesis 同性間競争説。

(A)原始の環境においては、女性の体型はその女性の生殖の歴史と未来の生殖能力の信頼できる指標であった。
(B)適齢期の女性の砂時計型体型は性淘汰の産物であり、男性にとっては視覚的な欲望刺激となる。砂時計型体型に加えて、その女性が適齢期であることの目印は、年長の女性に比較してやせていることである。(進化的適応環境の時代、配偶者のいる妊娠可能な女性は授乳期を挟んでほとんど途切れることなく妊娠していたはずであり、やせた体型を維持している若い女性は配偶価値が高いと判断された)
(C)人類の歴史においてはじめて、現代においては男女の配偶行動が生殖と切り離されている。これは先進国における出生率の低下が進行していることと関連している。その結果、年長の女性が適齢期の体型を維持ないし再び取り戻すことが可能となった。
(D)西欧先進国の環境における様々な要因が、質の高い男性との長期の配偶関係を得るための女性の競争intrasexual competitionを強める条件を提供している。
(なんだかもうゴリラの生態研究のようで紹介していてつらい)

さらに以下のような仮説を展開している。
原始時代、思春期の女性が自らの身体を意識したとき、周囲にあるのは適齢期を過ぎた年長の女性の身体と、同年代の女性の身体であった。そこで,配偶者を得るという目的から、女性は自分のあるべき身体像を年長者より細く、同年代とほぼ同じレベルに保つようにした。しかし現代の女子が思春期にはいったとき、まわりをとりまいているのは年長なのにやせている擬似適齢pseudo-nubileな女性達であり、その身体より一段やせた体型がより魅力ある体型として思春期の女性の心中で設定されてしまう。加えて、現代においてはマスメディアの発達により、以前ならあり得なかった数のやせて魅力的な女性の姿に日々さらされることになる。このようにして、思春期の女性の理想的身体像は異常にやせたものとなり、それがANの発症につながる。成人期以降の遅発性の摂食障害は、適齢期を過ぎても配偶価値を高める戦略としてのやせた身体像の再活性化を通して発症してくる。
この仮説により、摂食障害が主に若い女性の病であること、年齢の進行とともに減ること、現代の文明社会の病であることが説明できるとしている。
(なんだかもう乱暴な仮定の上にこじつけをしている感じ。最初読んだときは、ほー、なるほどねと思ったけれど、こうして紹介していると、内容に否定的にならざるを得ない。深い共感ができない。)

注意が必要なのは、戦略とか書いていても、実際には、人間がそれを戦略と意識して行動しているのではなくて、そのような傾向を持った人が結果として生存割合が高くなったというだけのことと確認することだ。配偶価値などという言葉もなんだか時代的なものを感じる。

7.Mealey, L., 2000. Anorexia: a“Losing”strategy? Human Nature.11,1,105―116.

ANを同性間競争の敗者として位置づけた仮説。

低体重による生殖抑制が危機状況に対する適応的なメカニズムとして進化したことを前提にしたうえで、現代社会においては、支配的な女性がこの残存する適応的自己抑制メカニズムを利用して他の女性の生殖能力をなくさせ、配偶者としての価値を減じようとする同性間競争が存在し、ANはその敗者なのではないかという仮説である。具体的には、流行を左右できる社会的に成功している女性達が、メディアを通じてやせている方が魅力的という文化を流布させることにより、若い女性を低体重へ、ひいては生殖抑制へと追いやるのだという。この考え方では、ANは操作するものにとって適応的であり、操作されるものにとっては非適応的であるということになる。

仮説と言えるのかな。やせていることが流行だと思わせれば、生殖不可能な女性が増えて、自分に有利になるというのかな。これだと流行に左右されない立場にいる人、たとえばすごく田舎に住んでいるとか、アーミッシュように電気を使わない人たちとか、アルプスの少女ハイジのように流行に接しない人たちは安全なのかな。過活動の説明がうまくできていない。

8.Guisinger, S.,2003. Adapted to Flee Famine: Adding an Evolutionary Perspective on Anorexia Nervosa. Psychological Review,110,4,745―761.

flee from famine hypothesis 飢餓環境からの移動のための適応説。

食糧不足に対する適応という視点からANの起源を考察する。
通常、ヒトや動物が食糧不足により体重が低下すると、行動的・内分泌的メカニズムにより、消費エネルギーを節約するとともに、食料への欲望が高まるようになる。さらに飢餓状態が続くと、個体は食べることに強くとらわれるようになり、気力が低下し抑うつ的になる。ほとんどの環境では、これらの認知的、情動的、生理的適応は、食糧不足の時期での生き残りを促進する。しかし、農業開始以前の人類は、人口密度が低く、放浪しながら狩猟採集によって食物を獲得していた。その条件では、ある場所で食物が不足したら他の場所に食物を探しに行く方が良い結果が得られたはずである。もし、そこでエネルギーを節約するために運動を抑え、気力を失い、飢えを強く感じ、ただ食べ物のことにとらわれているたとしたら、生存確率は低くなってしまう。効率よくその場所から移動できるためには、個人の身体は、それらの飢餓に対する通常の適応のスイッチを切る必要があるだろう。食べ物を局地的に求めることをやめ、せわしなくそしてエネルギッシュな感情状態となり、危機的にやせているという事実を楽観的に否認することが、絶体絶命な状況下での生き残りをかけた移動という最後の努力を促進するだろう。

このように考えると、ANの中心的特徴である、食べ物を無視すること、過活動、身体像のゆがみ、飢餓の否認、という性質が、過去の飢餓状況を生き残るために適応的であることがわかる。つまり、ANは飢餓状態を生き延びるために進化的適応環境で進化した遺伝的能力を受け継いだ人々に発症してくる病態であるとする。

たしかにこの仮説によると、ANの過活動、やせの否認、身体像のゆがみという不可解な特徴がうまく説明されているように思われる。これらの特徴は従来の精神半飢餓状態を経験した人すべてにANが発症してくるわけではないという事実に対しては、この能力はそもそも全員に発現する必要はなく、ごく一部のものが飢餓状態下でこの能力を発現することで集団のリーダーとなり、集団全体の移動を促進し得たであろうとし、たまたまその遺伝子を受け継いだものが現代においてダイエットで低栄養状態になったときにANが発症してくるのだとしている。女性が圧倒的に多いことに関しては、2つの説明をあげている。ひとつは、現代のやせている女性が魅力的とする文化的圧力に反応して女性の方が低体重になりやすく、発症の引き金が引かれやすいことである。もうひとつは、進化的適応環境においては、男性より女性の方が本来のなわばりを出て移動することに伴う危険が少なかったため、つまり他の部族に出会うと男性は殺されてしまう確率が高いので、この飢餓状態に反応して現れる能力は女性においてより進化したのではないかという考え方である。

しかしこの能力は、個体の生殖能力を落とし、時には死に至らしめる危険性をもっている。そのような遺伝的性質が、どのように進化しうるのであろうか?これに対しては、たとえ本人が生殖をせず,場合によっては命をおとしても,近親者の生存確率が上がることでこの遺伝子がうけつがれうるという血縁選択による説明とともに、進化的適応環境の時代には、移動によって食物を獲得できるようになったら一族のものが拒食症者に食べさせようとする何らかの行動メカニズムがあったのかもしれないとしている。しかし高度に個人主義化した現代の西欧諸国においては、そのようなメカニズムは働かず、それがANが進行する一つの要因となることを示唆している。

(こういう世界もあったんですね。)

9.Gatward, N., 2001. The Ability to Tolerate Starvation:A Role in Anorexia Nervosa? Eur. Eat. Disorders
Rev.9,359―364.

ANの発症の引き金となる現代における食事制限の起源について、社会的関心を引きつける力
social attention holding powerと集団への所属欲求need to belongingという概念で説明したうえで,ANの発症
や経過,症状の特徴については前述の生殖抑制説や飢餓状況からの移動説などの摂食障害の進化心理学的仮説を統合することで説明できるとしている。

社会的関心を引きつける力social attention holding powerとは、所属する集団の他のメンバーの興味を引きつけ、投資を得る個人の能力と定義される。それは、個人の自己コントロール感と密接に関連している。すなわち、集団の中で自分が主要な地位や立場を占めていると感じている者は、より副次的な位置にいる者よりも自己コントロール感が高い。また、集団への所属欲求need to belongingは人間の根源的な欲求の一つとして進化した。集団に属すことなしに太古の人間は生き延びることができなかったはずだ。結局ヒトは、集団に所属しつつ、限られた資源や集団内の地位をめぐって他者と争わざるを得ないこととなる。

その際、集団内の地位や自分の価値を評価するために、自分を他者と比較する必要がある。その評価において重視されるのが、身体的外見、健康状態特に生殖能力であった。そのうち、身体的外見においては比較的最近まで、肥満が高い地位を示すサインだった。なぜなら富める者だけが肥満する余裕を持っていたからである。しかし今日、多くの文化において食料は豊富になり、また比較的安くなった。そうなると手に入りやすい食べ物をあえて制限して取らないこと、つまりダイエットが、集団内で評価される地位と自己コントロール能力のサインとなり、やりがいのあることとなった。逆に太っているとみられることは、集団内で低い地位と評価を意味し、集団から排除される不安を個人に抱かせることとなる。これが現代における摂食制限の流行の起源としてあり、このことが、現代におけるANの発症の入り口になる。つまり、現代における摂食制限は、集団から排除されることへの危機に対する反応として進化論的に説明できる。そしてそれは、体重減少が古代の飢餓の脅威への(reproductive supres-sion仮説やflee from famine仮説でいわれているような)適応的反応を始動させるレベルに達したとき、AN発症へと至る。そして摂食の再開と体重増加は、集団内の地位と所属をめぐる競争への再参入を意味するが故に脅威と感じられるのだとしている。

ーーー
神経性大食症Bulimia nervosa・BNについてはあまり資料がなかった。中でも食べ吐きについては治療困難と思われる。空想一杯でもいいので何かアイディアが欲しい。

私の考え。
食べる食べない、吐く吐かないは自分でコントロールできることである。症状を自分でコントロールできるので、一部の病態の患者さんにとっては便利な症状である。
やはり病理の全体を説明できない。当面は背景にある病理に注目して取り組む。

ここで摂食障害の治療についてまとめておく。

1.摂食障害の問題で来院したとしても、背景に不安性障害、気分障害、統合失調症、発達障害が存在している、二次的な食行動異常である場合があるのできちんと診断する。それらが見つかったらまずそれを標的にして薬物療法も考える。併存症として考えられる場合もそれを最初のターゲットとしてよい。

2.例えば、摂食障害と主診断がついている人の10~20%程度に自閉症スペクトラム障害併存が認められたとの報告が2010年くらいにある。しかも、ASDの場合で、体重計の数字などに対する強固なこだわりにより食行動異常が生じているような場合はSSRIやリスペリドンが奏功することが多いので見極める必要がある。

3.ANの症状の中には体重減少に伴う二次的症状と考えられるものがある。一般に飢餓状態では、抑うつ、不安、イライラ、無力感の増大が認められる。理解力・集中力が減退し、知的作業能力も低下する。心理面に大きなマイナスの影響が認められる。一日中食事のことで頭が一杯になる。その他にも、行動上のさまざまな問題が生じ、性格検査におけるスコアの大幅なマイナスの方向への変化が認められている。しかも、体重回復後に再評価するとパーソナリティ障害の側面で改善していたと報告されている。従って栄養状態の改善が必要であるが、病識に乏しく、治療意欲に欠けることが問題となる。動機付け面接の手法を用いたりするが困難が大きい。

一方、体重回復に伴い、再栄養症候群に注意が必要である。さらに当然であるが体重回復に連れて体型についての歪んだ認知が前面に出てくるので対処が必要なのであるが、難しい。

4.BNの場合は治療意欲があることが多い。認知療法への導入が比較的容易である。その場合、摂食障害の認知行動療法の参考書。

Fairburn, C. G. : Cognitive behavior therapy and eating disorders, Guilford Press, New York,2008;切池信夫(監訳):摂食障害の認知行動療法.医学書院,東京,2010

また摂食障害の認知行動をチーム治療で行う場合は下記。

友竹正人:認知行動療法.チーム医療としての摂食障害診療(末松弘行、渡邉直樹 編).診断と治療社,東京,2009,pp.140‐143

下記のセルフヘルプマニュアルがあるのでCBTと併用するとよいと言われている。

Schmidt, U., Treasure, J. : Getting better bit(e)by bit(e): a survival kit for sufferers of bulimia nervosa and binge eating disorders, Psychology Press,East Sussex,1993;友竹正人,中里道子,吉岡美佐緒(訳):過食症サバイバルキット-ひと口ずつ、少しずつよくなろう-.金剛出版,東京,2007

導入は容易であるが、効果があるかどうか、どんな場合に効果があって、どんな場合に効果がないかについてはよくわからない。

(次項に続く)

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